高尾山登山コース9.憧れの「高尾陣馬縦走コース」 上級者向け (計 7H~8H)

1.コース9.憧れの「高尾陣馬縦走コース」 上級者向け (計 7H~8H)

このコースは、高尾山口駅から高尾山山頂まで登ったら、奥高尾の小仏城山(こぼとけしろやま)・景信山(かげのぶやま)・陣馬山(じんばさん)の各山頂を経て、陣馬高原下バス停までおよそ20キロを歩く上級コースです。
4つのピークでは、それぞれに眺望を楽しむことができ、それらをつなぐ縦走路では、尾根を渡る風に吹かれながら、気持ちのよい山歩きが楽しめます。
高尾山を登りつくし、それだけでは物足りなくなったリピーターにとって、大変満足できるコースとなっています。

まず、コース全体について簡単に説明します。
高尾山口から高尾山山頂までのルートは今までに挙げたコースから好きなものを選べます。
ただし、このルートは全部で6時間~7時間以上かかるロングコースです。
健脚に自信のある方はよいとしても、小仏峠から先の時間を考えると、前半にあまり時間をかけて歩くことはお勧めしません。

特に秋からの日が短い時期には、山では3時頃には暗くなってしまいます。
陣馬高原下バス停から高尾駅北口行のバスも、夕方には1時間に1本と本数が少ないので、時刻をよく確認してスケジュールを立ててください。
行きにケーブルカーを使うこともアリだと思います。

高尾山口から高尾山山頂までのルートとコースタイム(52M~1H40M)は、コース1~5を参考にしてください。
高尾山山頂から小仏峠までのルートとコースタイム(2H20M)は、コース8を参考にしてください。


ルートは以下の通りです。


・高尾山口~(52M~1H40M)~高尾山山頂 (コース1~5を参照)

・高尾山山頂~(2H20M)~小仏峠 (コース8を参照)

小仏峠~(45M)~景信山~(50M)~堂所山(どうどころやま)~(10M)~底沢峠~(10M)~明王峠~(10M)~奈良子峠~(40M)~陣馬山山頂~(40M)~新ハイキングコース入口~(20M)~陣馬高原下バス停 
(計 3H45M)

(高尾山口~高尾山山頂)+(高尾山山頂~小仏峠~陣馬高原下バス停)で、計7H~8H)

小仏峠からは、道標に従って北側に進みます。

写真66

小仏城山までの整備された道と比べるとやや自然の登山道が多くなります。
要所要所に階段はありますが、木の根が張っていたり土が露出して滑りやすくなっていたりする道があります。足元に注意しながら歩きましょう。

アップダウンを繰り返しながらも、ところどころ幅の広くて歩きやすい尾根道を進みます。

写真67

写真68

木々に囲まれた尾根道を進んでいくと、右手に簡易舗装された道があります。
かなり急な上り坂ですが、そこを登っていくと景信山の山頂に到着です。

写真69

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景信山の山頂には、景信茶屋青木と三角点かげ信小屋の2軒の茶屋があります。
なめこ汁やなめこそば、山菜の天ぷらなどのメニューがあります。

写真70

一面にテーブルとイスが並んでいますので、皆ゆったりと思い思いに休憩を取っています。
しかし、新緑や紅葉のシーズンの連休などには、これらのテーブルが満席になるほどの人々が訪れます。
それだけ魅力に満ちた人気の山なのです。

その魅力の第一がこの山頂からの眺望です。
ここで休憩をしたら広い山頂周辺を散策してみましょう。
山頂の標識がある地点一帯からは関東平野が一望できます。

写真71

この反対側に行くと、相模湖の向こうに丹沢や道志の山々が望めます。
お天気がよければ、木々の間から富士山を望むこともできます。

写真72

眺望を楽しんだら、次は陣馬山に向けて出発です。
山頂の標識の前を北西方面に進んでいくと、すぐに下り道に入ります。

写真73

ここからは再びアップダウンの繰り返しになります。
堂所山(どうどころやま)までの道のりが本コースでは一番長い道になります。
何度も続くアップダウンを避けたい人は、尾根の脇に巻き道がありますので、そちらを歩いてショートカットすることもできます。

写真74

写真75

写真にあるような地図の付いた標識に従って堂所山方面に進みます。

写真76

写真77

木の根が張った道をひと登りすると、堂所山の分岐に着きます。
この分岐を一旦右に進むと堂所山の山頂になります。

写真78

静かな場所で休憩できる穴場となっています。
ここからは元に来た道を戻ります。
先ほどの分岐を今度はまっすぐ進み底沢峠(そこざわとうげ)に向かいます。
明るい尾根道を進んでいくと間もなく底沢峠に着きます。

写真79

写真80

今回は陣馬山方面に進みますが、ここから左に向かって相模湖側の美女谷温泉(びじょだにおんせん)に下山するルートもあります。

底沢峠から明王峠(みょうおうとうげ)までは10分ほど歩けばすぐです。
明王峠には茶屋が1軒あります。春になると山菜の天ぷらが名物です。
茶屋の前からは、天気がよければ富士山が見えます。
富士山を眺めながら休憩するのもよいでしょう。

写真81

なお、この峠からも相模湖方面に向かう道がありますが、距離が長いため、ここではお勧めしません。

明王峠から次の目的地は奈良子峠(ならごとうげ)です。
ここまではずっとなだらかな道が続きます。
奈良子峠には陣馬高原キャンプ場、陣馬高原バス停という標識がありますが、そちらには進まずに陣馬山方面に進みます。

写真82

ここからは、いよいよ陣馬山に向けての登りが続きます。
栃谷尾根への分岐を左に分け、まっすぐ進みます。

写真83

最後に階段の道と巻き道がありますが、どちらを選んでも陣馬山の山頂に到着です。

写真84

この山は、近くの和田峠まで車を利用しても30分で登れるので、家族連れも多く、大変にぎわっています。
陣馬山の山頂といえば、大きな白馬像があります。

写真85

ここで記念写真を撮ったら広い山頂を散策してみましょう。
茶屋は信玄茶屋、清水茶屋、藤見茶屋の3軒ありますので、茶屋で景色を眺めながらおでんやビールやジュースを買ったりできます。

この山頂からは、360度の大パノラマが楽しめます。
北から東を望めば奥多摩や奥秩父の山々、関東平野が一望です。
空気の澄んだ晴れの日には、遠く日光連山や筑波山まで望むこともできます。
南から西を望めば丹沢や道志の山々、富士山、さらに大菩薩や南アルプスを望めます。
とりわけ富士山の眺めは抜群です。

山頂からの景色を存分に楽しんだら、陣馬高原下バス停まで下山します。

下山ルートは2通りあります。

1つ目は和田峠に下りてから、アスファルトの車道を通って陣馬高原下バス停に下山するコースです。

白馬像の北側に和田峠への道標がありますので、それに従って緩やかな道を20分ほど下っていきます。

写真86

和田峠には茶屋が1軒あり、駐車場もあります。
ここからは、アスファルトの車道を延々と40分ほど下っていきます。

この下り道が長いので、ここでは2つ目の新ハイキングコースをおすすめします。

1つ目のルートとは反対方向の、白馬像の南東に下り口がありますので、そこから登山道に入ります。

写真87

少し下ったところからコンクリートの簡易舗装路を歩きます。
この林道の右側で、一旦広い場所に出ます。ここは、春にはニリンソウの大群落になっています。

写真88

ここで、林道を直進せず、標識に従って右に曲がります。

写真89

しばらく尾根を巻く道を歩いていくと少し開けた場所に出ます。
ここからは、最後の下り道を延々と進みます。
木の根がかなり広がっていますので、滑らないように気を付けて下りましょう。

写真90

沢が見えてきたら分岐まであと少しです。
沢沿いの道を進んでいくと、アスファルトの車道と合流します。

写真91

この車道を下っていくと陣馬高原下バス停に到着です。

写真92

ここから高尾駅北口行きのバスに乗って帰ります。
帰りのバスは本数がとても少ないので、バスの時刻をしっかり調べ、余裕を持ったプランを組んでください。

以上でコースの説明は終わりです。

奥高尾のコースは、帰りのバスの時間をしっかり確認することが大切です。
新緑や紅葉のシーズンには大変多くの人が、訪れます。
バスは増発便が出ますが非常に混雑します。

(コラム)縦走コースを時間の心配なく歩くには

時間の余裕をもった山行プランを立てるという意味で、今回説明したコースとは逆のコースを歩く方法もあります。
特に陣馬山までのルートは時間がかかりますので、バスの時間や日没の心配を避けるために逆のコースをたどるのです。
そうすれば、下りが多くなり歩く負担が減りますし、高尾山口まで行けば電車があるので帰りの時間を心配する負担も少し減らせます。

ただし、紅葉の季節には日没が早いですし、帰りにケーブルを利用するとなると混雑し待ち時間が長すぎて夜になってしまうことがあります。
ケーブルを使わずに歩いて下山する場合には、照明はありませんので、ヘッドライトは必ず持参してください。

高尾山はいろいろなコースがありますし、季節ごとの魅力もたくさんありますので、何度行っても楽しめる山です。
ぜひ、コースを組み合わせて様々な高尾山の顔を何回でも楽しんでください。
また、奥高尾の景信山や陣馬山は、縦走せずにそれぞれ一つだけ登っても十分に楽しめる山でもあります。
ぜひ、地図を眺めていろいろなルートを検討してみてください。

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2.高尾山の主要ポイントと各コースの地図

高尾山の主要ポイントと、今回にご紹介するコースの地図を作成しました。

各コースを参照したい場合は、地図の左上の四角いボタンを押してから、各コースの名前の付いたレイヤーボタンを押してください。

スマートフォンの場合は、一度地図をクリックして、別ウィンドウで全画面表示を立ち上げてから、画面下のタイトル表示「○○の主要ポイント(morigasuki.net)」部分の白枠を押せば、各コースを選ぶことが出来ます。

パソコンでの別ウィンドウでの全画面表示は、地図の右上の四角いボタンを押してください。

地図上に書かれた各コースのルートは、手書きで作成しており、正確に記していますが、微妙にずれていることもありますので、大体の目安とお考えください。

 高尾山の主要ポイント。各コースはレイヤーを選択すると見られます。

この地図をグーグルマップ上に表示させて、登山中に現在位置を確認することもできます。
PCやスマホで使う場合の詳しい設定方法を書きましたので、ご覧ください。

高尾山の全登山コース12通りについては、こちらの記事をご覧ください。

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