八ヶ岳の全登山ルート5つを紹介!南八ヶ岳編 初心者から上級者まで

公開日: : 最終更新日:2018/07/24 アウトドア(Outdoor), スポーツ(Sports), 日本(Japan), 登山(Climbing)

北八ヶ岳編でも紹介しましたが、一般に八ケ岳は、夏沢峠(標高2430M)を境に南八ケ岳と北八ヶ岳に分けられています。

ですので、南北21kmにわたって連なる八ケ岳連峰のうち、南八ケ岳とは、夏沢峠(2,430M)より南側の山域を指しています。

東京方面から中央自動車道をドライブしていくと、韮崎I.C.を過ぎたあたりから、目の前に大きな山が姿を現します。
左手が険しい山稜の南アルプス連峰、右手が大きな裾野を広げた八ケ岳連峰です。

道路は八ケ岳連峰の裾野を横切り、須玉I.C.、長坂I.C.、小淵沢I.C.へと、ぐんぐん高度を上げ、「高速道路最高地点1,015M」の案内板を通過します。
この辺り一帯が南八ケ岳エリアとなり、主峰赤岳(2,899M)をはじめとした南八ケ岳の峰々を間近に望むことができます。

そもそも八ケ岳の名前の由来には諸説ありますが、「たくさんの山々」という意味があるようです。
しかし、数字があるとつい八つの峰を数えたくなるもので、深田久弥『日本百名山』では、「詮索好きの人のために」「西岳、編笠山、権現岳、赤岳、阿弥陀岳、横岳、硫黄岳、峰の松目」の八峰を挙げてくれました。
これらの八峰は、すべて南八ケ岳エリアに属します。

今回は、その南八ケ岳の登山コースをご紹介していきます。
歩行距離が長いので、すべて山小屋泊のコースとなります。
また、北八ヶ岳と違い、南八ケ岳は険しい岩場の多い山域となりますので、本格的な登山装備は必須となります。事前の情報収集と装備のチェックは十分に行ってください。

各コースの地図上のルートは、次にご紹介する地図をご参照ください。

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1.南八ヶ岳の主要ポイントと各コースのルート地図

南八ヶ岳の主要ポイントと、今回ご紹介するコースの地図を作成しました。

各コースを参照したい場合は、地図の左上の四角いボタンを押してから、各コースの名前の付いたレイヤーボタンを押してください。

スマートフォンの場合は、一度地図をクリックして、別ウィンドウで全画面表示を立ち上げてから、画面下のタイトル表示「○○の主要ポイント(morigasuki.net)」部分の白枠を押せば、各コースを選ぶことが出来ます。

パソコンでの別ウィンドウでの全画面表示は、地図の右上の四角いボタンを押してください。

地図上に書かれた各コースのルートは、手書きで作成しており、正確に記していますが、微妙にずれていることもありますので、大体の目安とお考えください。

 南八ヶ岳の主要ポイント。各コースはレイヤーを選択すると見られます。

この地図をグーグルマップ上に表示させて、登山中に現在位置を確認することもできます。
PCやスマホで使う場合の詳しい設定方法を書きましたので、ご覧ください。

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2.各コースの紹介

コース1.南八ケ岳の入門コース  その1(初級)硫黄岳周遊(峰ノ松目経由)(所要 5H35M)

佐久方面から八ケ岳を望むと、大きく崩れた山肌を目にすることができます。それは硫黄岳(標高2760M)の爆裂火口です。
山頂から600M以上も崩れ落ちているという大きな火口ですが、山頂はとてもなだらかで広々としているので、南八ケ岳の中で最も登りやすい山となっています。

登山口の桜平までは、未舗装の狭い道ですが、標高が1,900Mと南八ケ岳の中で最も高い位置にある登山口なので、山頂との標高差もほどよく、南八ケ岳デビューにふさわしいコースです。

なお、桜平の駐車場は、(上)(中)(下)の3つあり、 (中)(下)は新たに増設されました。上から順に、20台、60台、70台のキャパシティです。
(下)は、登山口ゲートから3.5Km離れており、ゲートまで1時間半歩くことになりますので、プランを立てる際に注意してください。

標高差があまりなく、登山時間は5時間半と、とても長いわけではありませんが、せっかくですので、快適なオーレン小屋での山小屋泊をお勧めします。

1日目


ルートは以下の通りです。


桜平登山口1,920m~( 30M)~夏沢鉱泉~45M~オーレン小屋2,320m(泊) (所要 1H15M)

桜平登山口から夏沢鉱泉までは、沢沿いの歩きやすい林道を進みます。夏沢鉱泉は入浴もでき、桜平から近いので、前泊の登山口としても利用できます。
桜平に林道ゲートがあり、通常、夏沢鉱泉まで車ではアクセスできません。

 夏沢鉱泉のヤマネ

夏沢鉱泉から沢沿いのなだらかな道をしばらく進んでいき、沢を離れると、つづら折りに登る道に入ります。登り切って平坦な道になると間もなくオーレン小屋に到着です。

オーレン小屋の名前は、小屋付近に咲く高山植物のオーレンという花の名前に由来します。
オーレン小屋は、立地が非常によく、硫黄岳の拠点になるだけでなく、天狗岳まで足を延ばすことも可能です。
強清水(こわしみず)という水量豊富で良質な水場があるだけでなく、その水を沸かした檜展望風呂で、翌日登る硫黄岳や峰ノ松目を眺めながら、汗を流すこともできます。
夕食は、馬肉を使った桜鍋が自慢の山小屋です。

2日目


ルートは以下の通りです。


オーレン小屋2,320m~(1H)~峰ノ松目2,567m~(1H)~赤岩ノ頭~(20M)~硫黄岳山頂2,760m~(50M)~夏沢峠~(20M)~オーレン小屋~(30M)~夏沢鉱泉~(20M)~桜平登山口1,920m (所要 4H20M)

オーレン小屋を出発して樹林帯を登って行き、赤岩ノ頭に直接登る道を左に分け、南西方向に登ります。この辺りには6月後半~7月中旬にかけてオサバグサがたくさん見られます。

稜線に出ると南側に赤岳や阿弥陀岳を望めるガレ場に出ます。西に進むと樹林帯の急登が始まります。10分ほど頑張れば峰ノ松目の頂上に到着です。眺望はありませんが、峰ノ松目は、八ケ岳の八峰の一つに数えられていますので、制覇する価値はあるかもしれませんね。

次に目指す赤岩ノ頭は、元来た稜線を引き返し、登り付いた道を左に分け、そのまま稜線上を東側に進みます。オーレン小屋、赤岳鉱泉、硫黄岳への分岐の標識がある場所が赤岩ノ頭です。
岩礫の稜線を北東に登り、ロウソク岩と呼ばれる岩塔を右に巻いていくと、硫黄岳の山頂に到着です。
広々とした山頂で、360度の大パノラマを楽しみましょう。頂上の北側は爆裂火口の断崖になっていますので、足元には十分注意してください。

7月のコマクサの季節には、山頂南側の大ダルミにまで足を延ばせば、硫黄岳山荘の周囲で可憐な花を見ることができます。往復1時間くらいですので、時間が許せばぜひおススメします!

下山は北西の夏沢峠方面に向かいます。山頂が広いので方向を見誤らないように標識や並んだケルンをよく見ながら下ります。
夏沢峠に着いたらオーレン小屋方面に下ります。オーレン小屋に着いたら、前日登ってきた道を桜平まで下ります。

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コース2.南八ケ岳の入門コース その2 (初級)西岳・編笠山(あみがさやま)周遊(所要 7H50M)

編笠のようなきれいな円錐形をした編笠山(標高2,524m)と西岳(標高2,398m)は、八ケ岳の南西端にあり、眺望を楽しめる山です。
登山口は、富士見高原ゴルフ場(富士見高原リゾート)の前にあり、大変便利な立地です。

1泊2日としたのは、眺望のよいコースをのんびりと歩き、入門者の方が山登りの醍醐味を味わっていただきたいからです。

 南八ケ岳

1日目


ルートは以下の通りです。


富士見高原リゾート駐車場1,340m~(40M)~不動清水~(1H20M)~林道編笠線出合(中央コース)~(1H30M)~西岳(標高2,398M)~(50M)~青年小屋2,380m(泊) (所要 4H20M)

登山口から不動清水までの間に、2回林道と交差する場所があります。標識をよく見て登山道を進んでください。6月にはレンゲツツジの花が色鮮やかに咲いています。

不動清水では、編笠山への道も分かれますが、ここでは西岳方面に進みます。
ここから樹林帯を登り、さらに途中2回林道を渡ります。そして、3回目の林道にさしかかったところが林道編笠線(中央コース)です。

林道を渡ると眺めのよい場所に出ます。「西岳まで0.6キロ」の標識のある広場で休憩したら、もうひとがんばりしてガレ場を登って行くと、展望が大きく広がる西岳の山頂です。
東側に編笠山、その右には富士山、南側には南アルプスの山々、南西には木曽駒ケ岳をはじめとした中央アルプスが望めます。そして、北東側には、赤岳をはじめとした南八ケ岳の険しい山容が間近に迫ります。

山頂で景色を楽しんだら、「絵図小屋跡」という場所に「乙女の水」という水場が現れます。ここから5分ほどで宿泊地の青年小屋に到着です。

青年小屋は、玄関先の「遠い飲み屋」という赤ちょうちんがユニークな目印です。
昼にはラーメン、うどん、カレー、おでんなどのメニューがあるだけでなく、自炊ができるベンチもあります。建物は古いですが、トイレも中と外の両方にあり、サ-ビスの良い宿です。

2日目


ルートは以下の通りです。


青年小屋2,380m~(40M)~編笠山2,524m~(40M)~シャクナゲ公園~(1H20M)~臼久保岩小屋(石小屋)1780m ~(20M)~盃流し~(30M)~富士見高原リゾート駐車場1,340m (所要 3H30M)

編笠山にはゴロゴロした岩石帯を白いペンキ印に沿って登ります。山頂で、富士山や日本アルプス、南八ケ岳の山々の景色を堪能しましょう。

下山は標識で方向をよく確認して、南西の富士見高原方面に下ります。岩場の続く急斜面をペンキ印に沿って慎重に下ります。

シャクナゲ公園は、平らになっているので、休憩を取ることができます。

 南八ケ岳

樹林帯に入ってからも急坂を下り続けます。標高100Mごとに標識が立っていますので、それを励みに臼久保岩小屋(石小屋)までがんばりましょう。

見晴台を経て2回林道を渡ったら盃流しに出ます。盃流しという地名は、50Mほどの一枚岩が作ったナメ滝に由来するそうです。
不動清水に向かう道を右に見送り、林道を3回渡ったら富士見高原に戻ります。

編笠の形の山を登るだけあって、急な登り下りが続く山ですが、天気が良ければ最高の眺望を楽しめる山です。

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コース3.八ケ岳の主峰 赤岳・阿弥陀岳へ(中級) (所要 10H50M)

南八ケ岳の稜線に連なる山並の中で、ひときわ抜きん出た山容を持つ堂々とした山、赤岳。
標高2899Mを誇る赤岳は、八ヶ岳を代表する盟主です。
鉄分の多い赤褐色の岩肌に、朝夕の日の光を浴びて山肌が赤く染まる姿が、この山の名の由来と言われています。

標高2805Mの阿弥陀岳は、八ヶ岳の主脈から西に離れてそびえ立つ山です。急峻な岩壁を抱き、赤岳と並ぶ堂々とした山容をしています。

登山口となる美濃戸口は、赤岳登山の代表的な登山口です。
車やバスなどで美濃戸口にアクセスし、徒歩で出発しますが、その先の美濃戸にある3件の宿泊施設(やまのこ村、赤岳山荘、美濃戸山荘)に泊まる場合には、そこまで無料でマイカーで乗り入れることができます。

美濃戸口での駐車料金は1日500円、美濃戸の3つの宿泊施設まできて、それぞれの山荘の前にある駐車場の駐車料金は、宿泊者でない場合には1日1000円です。
80台ほどのスペースがあり、空きがあれば停められます。

500円の差ですが、これで片道60分の登山時間が短縮されますので、500円を高いと見るか安いと見るか、各自の判断となります。ただし、未舗装の狭い道なので、車高の低い車だと車体を傷めてしまうこともあるかもしれません。

1日目


ルートは以下の通りです。


美濃戸口1,500m~(1H)~美濃戸~(50M)~堰堤広場~(1H10M)~赤岳鉱泉~(35M)~行者小屋~(地蔵尾根ルート1H15M)~地蔵の頭~(5M)~赤岳天望荘2,722m(泊) (所要 4H55M)

まず美濃戸口では、八ヶ岳山荘の前の未舗装の林道を進みます。
美濃戸に着くと、やまのこ村、赤岳山荘、美濃戸山荘の順に登山の拠点地が並びます。これらの山荘を前泊に利用することも可能です。

ここでは北沢ルートを取りますので、美濃戸山荘前で南沢ルートを右に見送ります。
赤岳登頂まで、北沢を経由するか、南沢を経由するかで、2つのルートがあり、行きは北沢ルート、帰りは南沢ルートを経由します。

林道は、堰堤広場まで続きます。
沢を渡ると北沢増水時の巻き道を右に分け、左側を進みます。沢を渡ること8回、沢沿いを登って行くと赤岳鉱泉に到着です。正面には険しい岩稜の山、横岳2,829mが迫り、大同心2,715mという西側に突き出た岩峰も目にすることができます。

赤岳鉱泉は、赤岳、横岳、硫黄岳2,760mの登山基地になる通年営業の山小屋です。
水洗トイレがあり、食堂では、ラーメンやカレー、ビールやワインもあります。
宿泊者は、檜風呂と暖房便座付き水洗トイレが利用できます。夕食にはステーキや焼き魚が出されるなど、山小屋とは思えないほどメニューが充実しています。
大部屋だけでなく、様々なタイプの個室がたくさんあるのも魅力です。テント泊も可能です。

赤岳鉱泉からは、南方向に沢沿いを登って行きます。中山乗越から西に中山乗越展望台があります。赤岳と阿弥陀岳、横岳の眺めが素晴らしい場所です。往復10分ですので、ぜひ足を延ばしてみましょう。

中山乗越から南に下ると行者小屋に出ます。

行者小屋は、赤岳や阿弥陀岳の拠点となります。
行者小屋には、通称「ラーメンハウス」と呼ばれる売店があります。
ラーメン、手作りおでんやカレー等販売しています。酒類ももちろん揃っています。

自炊場も整備されています。トイレは、水洗で、便座カバーがついています。
宿泊は50名ほどが寝られる大広間があり、中には赤岳を望めるスペースもあります。個室は9部屋あります。テント場もあり、利用者は屋内の自炊場を利用できます。

行者小屋からは、地蔵尾根を利用します。
標識を確認して小屋の北東側から標高差約350Mの急登を進みます。稜線に近づくにつれて勾配は急になり、岩稜、クサリ、階段が続きますので、気を緩めることなく登って行きましょう。
森林限界を超えると、天候によっては強風にさらされることもあります。非常に危険ですので、事前に天候をよく確認し、防風防寒対策をしっかりとしておきましょう。

主稜線の地蔵ノ頭にたどり着くと、佐久側の展望が開け、富士山を望むこともできます。南にしばらく歩くと赤岳天望荘に到着です。
付近の西側岩稜では、初夏にはコマクサやウルップソウが咲いていますので、ぜひ探してみてください。

赤岳天望荘(標高2722M)は、赤岳の主稜線上に位置する山小屋です。
定員200名、個室は36室もあり、非常に規模の大きな山小屋です。水洗トイレ完備の清潔な宿です。五右衛門風呂があり、男女交代制で利用できます。
お食事はバイキング形式という珍しいスタイルです。喫茶メニューも充実しています。

稜線上にあるため、眺望は素晴らしく、富士山・日本アルプス、上信越の山々を望めます。そして、御来光・夕日を部屋の中から満喫できるというのは、最大の魅力です。

2日目


ルートは以下の通りです。


赤岳天望荘2,722m~(40M)~赤岳山頂2,899m~(1H10M)~中岳のコル~(30M)~阿弥陀岳2,805m~(20M)~中岳のコル~(45M中岳道)~行者小屋~(1H40M)~美濃戸~(50M)~美濃戸口1,500m (所要 5H55M)

赤岳天望荘から赤岳山頂までは標高差約260mです。
南側の稜線に向かい、岩礫の急斜面をクサリに沿って登って行きます。落石やスリップに注意してください。
山頂直下には、赤岳頂上山荘があります。水場やテント場はありませんが、360度の眺望が望める絶景の山小屋ですので、ご来光と夕日の両方を望むこともできます。

山頂からは、八ケ岳の峰々の稜線、富士山、御嶽山、日本アルプス、浅間山、奥秩父の山々など360度の超絶景が望めます。ここで眺望を楽しんだら、次は阿弥陀岳に向かいます。

長いクサリ場を下りていくと、文三郎尾根分岐で文三郎道に下る道を右に見送り、中岳方面に向かいます。中岳周辺では、7月になると、コマクサの花に出会えるかもしれません。

中岳から中岳のコルを経て、阿弥陀岳にかけてはハシゴやクサリの連続した急斜面ですが、チシマギキョウ、ミヤママンネングサ、イブキジャコウソウ、タカネグンナイフウロなどの可憐な高山植物に癒されながら、慎重に歩きましょう。

阿弥陀岳山頂は、広くて平坦な場所となっています。かつて信仰の山であったので、石碑や石像などが残っています。

下山は、来た道を中岳のコルまで慎重に下ります。北側(左側)の中岳道を下ります。途中、文三郎道から下りてきた道と合流して、行者小屋に向かいます。

行者小屋からは、南沢コースを取りますので、登ってきた道を右に分け、西側(左側)を進みます。
中間地点のあたりで、「美濃戸40分・行者40分」のプレートがあります。美濃戸山荘前に着くと、登ってきた道と合流します。ここからは、来た道と同じ林道を歩き、美濃戸口に戻ります。

 中岳

このコース上には、山小屋が多いので、前夜泊を利用するなどしてお好みの山小屋泊を選べるのも魅力です。
また、時間に余裕がなければ、阿弥陀岳をパスして赤岳に絞り、文三郎道を利用して下山するというルートも選択できます。
自分のレベルとスケジュールに合ったプランを立ててみましょう。

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コース4.岩場に咲く高山植物を求めて ~赤岳・横岳・硫黄岳縦走~ (中級) (所要 11H10M)

八ケ岳の主峰・赤岳(標高2899m)を目指すのに、まず硫黄岳(標高2760m)に登ります。途中で設備と立地がよくて人気の硫黄岳山荘に泊まり、高山植物の花々が咲き乱れる横岳(2829m)を通過しながら縦走できるという、1泊2日の大変人気のあるコースです。

このコースの登山口は美濃戸口で、下山後再び美濃戸口に戻ってくるという周回コースとなります。

登山口となる美濃戸口については、コース3の情報を参考にしてください。

1日目


ルートは以下の通りです。


美濃戸口1,500m~(1H)~美濃戸~(50M)~堰堤広場~(1H10M)~赤岳鉱泉~(1H40M)~赤岩の頭 ~(20M)~硫黄岳2,760m~(20M)~大ダルミ 2,650m~(3M)~硫黄岳山荘(泊) (所要 5H20M)

美濃戸口から赤岳鉱泉までは、コース3を参考にしてください。

赤岳鉱泉からは、北東側の横岳方面に向かいます。途中、大同心を始めとした横岳への登攀ルートがありますので 、誤って踏み跡に入らないよう注意してください。
大同心はほぼ垂直な大壁でロッククライミングの技術が必要です。

森林限界を超えると赤岩の頭に出ます。ここでオーレン小屋や峰ノ松目から来た道と合流します。

ここから硫黄岳山頂はあと少しです。
岩礫の稜線を北東に登り、ロウソク岩と呼ばれる岩塔を右に巻いていくと、硫黄岳の山頂に到着です。

硫黄岳の山頂からは、360度の大パノラマが望めます。
すぐ南には赤岳・阿弥陀岳・横岳がそびえ立っているのが見られます。北側には、天狗岳・北横岳など北八ヶ岳や蓼科山などが見られます。遠くには、日本アルプス、御嶽山、浅間山などが見られます。頂上の北側に爆裂火口が切れ落ちていますので、近づかないように注意してください。

硫黄岳頂上からは、南に下ります。初夏には稜線の東側に、国指定の天然記念物のキバナシャクナゲが咲いています。下りきると硫黄岳山荘のある大ダルミです。

硫黄岳山荘は、稜線上にあり、景色とコマクサをはじめとした高山植物を楽しめる宿です。山荘前には高山植物観賞コースがありますので、早めに到着できたらゆっくりと花々を愛でることができるでしょう。

食事は自家製の新鮮な野菜を使ったお料理が楽しめます。また、自家製味噌で作られた人気の味噌汁は、疲れた身体に忘れられない味となることでしょう。
温水便座付きのトイレやシャワー(1回500円)も設置されているので快適です。

2日目


ルートは以下の通りです。


硫黄岳山荘2,650m~(25M)~台座ノ頭~(15M)~横岳(奥ノ院)2,829m・無名峰2,829m・横岳(三叉峰)~(20M)~石尊峰・鉾岳・日ノ岳・二十三夜峰・地蔵ノ頭~(10M)~赤岳天望荘2,722m~(40M)~赤岳~(1H30M)~行者小屋~(1H40M)~美濃戸~(50M)~美濃戸口1,500m (所要 5H50M)

横岳は、大同心をはじめ小さな岩峰が連なった山です。
登山道は、東側も西側も大きく切れ落ちた岩壁を縫うように続きます。クサリが続く難易度の高い危険な岩稜帯を進みますが、7月になればコマクサ、チョウノスケソウ、ウルップソウ、ツクモグサなど珍しい花をはじめ、挙げればきりがないほどのたくさんの高山植物に出会うことができます。まさにこの登山コースの一番の魅力でしょう。

地蔵の頭までの岩稜帯を過ぎると、間もなく赤岳天望荘に到着です。
赤岳天望荘は、定員200人の山小屋で、大部屋と、36の個室があり、お風呂や水洗トイレも備わっている、とても快適なところです。
夕食はバイキング形式という、山小屋ではめずらしいスタイルです。

赤岳天望荘から赤岳山頂までのルートについては、コース3を参考にしてください。

赤岳山頂からの下りは、文三郎道分岐で阿弥陀岳方面への道を分け、右側の文三郎道を下ります。鉄の階段が長く続く道なのでバランスをしっかり保って歩きましょう。中岳道と合流してしばらく下って行くと、行者小屋に到着します。

行者小屋から美濃戸口までは、コース3と同様に南沢コースを取りますので、コース3を参考にしてください。

コース5. 南八ケ岳の核心を極める上級コース ~権現岳・赤岳~(所要 12H35M)

権現岳(標高2715m)はギボシといわれる岩峰を持ち、鋭い山頂が象徴的な姿をしています。
南八ケ岳の主稜線において、赤岳の南隣りにあるのが権現岳です。しかし、赤岳との間にはV字型に深く切れ込んだキレットが隔てています。
本コースは、その大きな標高差を登り下りする体力も技術も要するハードなコースとなっています。

1日目


ルートは以下の通りです。


天女山登山口1,385m~(15M)~天ノ河原~(50M)~海抜1800mの石柱~(1H50M)~前三ツ頭~(50M)~三ツ頭~(1H)~権現岳2,715m~(10M)~権現小屋2,670m(泊) (所要 4H55M)

登山口は天女山で、甲斐大泉駅からタクシーで10分と電車でのアクセスも便利な立地です。
タクシーを使う場合には、事前に予約をして利用してください。

天女山登山口には、20台収容できる無料駐車場もあります。
本登山口とは別に天女山の頂上は観光スポットの展望台になっていて、観光客用の山上駐車場がありますが、そちらはなるべく使わないようにしましょう。頂上に登る途中には駐車場から徒歩4~5分の所にトイレがあります。

権現岳には、天女山(大泉口)コースを登って行きます。
はじめはなだらかな尾根道を進みます。砂礫地や樹林帯を交互に進みます。前三ツ頭と三ツ頭の間に、樹林帯に入る目印のペンキ印がある場所がありますのでよく確認してください。
山頂直下には、露岩のクサリ場がありますが、高山植物を見られますのであと一息がんばりましょう。

権現岳の頂上からは360度の大パノラマが広がります。
南アルプスの間から富士山が顔を出し、中央アルプス、御嶽山、北アルプスが広がります。
東側の眼下には、甲府盆地も見下ろせます。北側には、赤岳から阿弥陀岳の稜線が目に迫ります。

権現小屋は、水場も電気もなく小さな山小屋です。ランプの明かりで、夜はカレーをいただけます。
トイレは外にあり、ペーパーは設置されていないので持参してください。
ポケットティッシュの販売は50円です。水は、天水を沸かしたものが200円、500mlペットボトルが400円で販売されています。

2日目


ルートは以下の通りです。


権現小屋2,670m~(1H30M)~キレット小屋 ~(2H10M)~赤岳~(1H30M)~行者小屋~(1H40M)~美濃戸~(50M)~美濃戸口1,500m (所要 7H40M)

赤岳に向かう道にまず現れるのが、61段の源治ハシゴです。このハシゴを下り、クサリ場が続く複雑な地形を進みます。ツルネと言われる南北2つの小さなピークを過ぎるとキレット小屋に着きます。7月には、周辺でコマクサが見られます。

キレット小屋は、改装して新しくなっています。
水場はありますが、時期によって枯れることがあります。
テント場は狭く、10張程度の広さですので、夏の混雑時には注意してください。
トイレは小屋の外の簡易トイレです。夕食はカレーです。
前夜泊をすれば、1日目の行程をここまで延ばし、キレット小屋に宿泊するというプランを組むことも可能です。

急峻な岩場が続く難所を通り抜け、真教寺尾根分岐を過ぎるとすぐに赤岳山頂です。
ここで360度のパノラマを楽しんだ後は、文三郎道を通って美濃戸口に下山します。コース3、4を参考にしてください。

ここで紹介したコースは、十分な経験を積んだ上級者向けのコースです。
急斜面の岩場を通過するためのクサリやハシゴが次々と現れる難所が続きますので、十分な装備を整え、責任ある山行を心掛けてください。

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3.山小屋情報

南八ヶ岳の山小屋情報を掲載します。

宿泊施設 現地電話 宿泊料 電話
夏沢鉱泉 090-4158-4545 一泊2食9500円、素泊まり6500円、弁当1000円 0266-73-6673(予約専用)
オーレン小屋 090-1549-0599 一泊2食9500円、素泊まり6000円、弁当350円 0266-72-1279
青年小屋 090-2657-9720 一泊2食8500円、素泊まり5500円 0551-36-2251
八ケ岳山荘 0266-74-2728 一泊2食8500円、素泊まり6000円 0266-58-7220
美濃戸高原ロッジ 0266-74-2102 一泊2食8500円、素泊まり5000円 0266-74-2102
美濃戸山荘 0266-58-7220 一泊2食8500円、素泊まり6000円 0266-58-7220
やまのこ村 0266-74-2274 一泊2食8300円、素泊まり5000円 0467-87-0549
赤岳山荘 0266-74-2272 一泊2食7800円、素泊まり5000円 0266-74-2272
赤岳鉱泉 090-4824-9986 一泊2食9000円、素泊まり6000円 0266-62-8100
行者小屋 090-4740-3808 一泊2食9000円、素泊まり6000円 0266-62-8101
赤岳天望荘 一泊2食9000円、素泊まり6500円 0266-58-7220
ヒュッテ夏沢 0266-74-2728 一泊2食8500円、素泊まり6000円 0266-58-7220
赤岳頂上山荘 090-2214-7255 一泊2食8800円、素泊まり5300円 0266-72-3260
硫黄岳山荘 090-3142-8469 一泊2食9000円、素泊まり6000円 0266-73-6673
権現小屋 一泊2食8500円、素泊まり5500円 0551-36-2251
キレット小屋 090-4716-2008 一泊2食7800円、素泊まり4700円 090-2214-7255 (赤岳頂上山荘)

各山小屋共に、事前に予約をするのが望ましいです。

コース3やコース4で通過する赤岳天望荘は、個室やお風呂、水洗トイレなどが備わっていて、設備がよくて、女性の方にとって快適です。
また夕食は、山上なのにバイキング形式で、なんとも不思議な楽しいお食事が待っています。

またコース4で利用する硫黄岳山荘も、外見こそ古いですが、温水シャワーなどの設備がよくて、女性の方にとって快適です。

4.立ち寄り温泉情報

南八ヶ岳周辺の日帰り入浴が可能な温泉を紹介します。

施設名 住所 料金 電話 食事処
道の駅信州蔦木宿 つたの湯 長野県諏訪郡落合1984番地1 大人600円、小人400円 0266-61-8222
もみの湯 長野県諏訪郡原村字原山17217-1729 大人500円、小人300円 0266-74-2311
尖石温泉 縄文の湯 長野県茅野市豊平4734-7821 大人600円、小人300円 0266-71-6080
アクアリゾート清里 天女の湯 山梨県北杜市高根町清里3545-5 大人780円、小人420円 0551-48-5551
甲斐大泉温泉 パノラマの湯 山梨県北杜市大泉町西井出8240-1 大人820円、小人420円 0551-38-1341

大きくて、古くなく、観光客や地域の人たちが利用する温泉なら、つたの湯やもみの湯です。
それより少し小さめで、地域の人たちが利用する温泉なら縄文の湯やパノラマの湯です。

アクアリゾート清里は、天女の湯や温水プール、ゴルフ場、テニスコート、キャンプ場やドッグランなどの揃う大きな公園です。

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