八ヶ岳の登山コース 北八ヶ岳編8つ紹介! 日帰り・初心者から上級者まで
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最終更新日:2019/10/10
Love Nagano, アウトドア(Outdoor), スポーツ(Sports), 旅行(Travelling), 日本(Japan), 登山(Climbing)
八ケ岳連峰は、山梨県と長野県の県境にまたがり、南北全長約21kmにわたって連なる2,000M級の山々です。
「八ケ岳」というと、何か特定の八つの頂を指しているように思われがちです。しかし、実際には、もっと多くの頂があります。諸説あるようですが、「八ケ岳」とは「たくさんの山」という意味を表した名前なのだとも言われています。
ただし、深田久弥の『日本百名山』では、最高峰の「赤岳(標高2,899M)」を指して八ケ岳が語られています。
一般に八ケ岳は、夏沢峠(標高2430M)を境に南八ケ岳と北八ヶ岳に分けられています。
南八ケ岳は、険しい岩峰が連なりアルペン的な雰囲気があります。一方、北八ヶ岳は、なだらかな山が多く、緑の苔に覆われた針葉樹の森と点在する池が象徴的です。
今回は北八ヶ岳エリアで、初心者からでも、日帰りで登ることができるコース~上級者コースまで、全8コースをご紹介します。
**目次**
1.北八ヶ岳の主要ポイントと各コースのルート地図
北八ヶ岳の主要ポイントと、今回ご紹介するコースの地図を作成しました。
各コースを参照したい場合は、地図の左上の四角いボタンを押してから、各コースの名前の付いたレイヤーボタンを押してください。
スマートフォンの場合は、一度地図をクリックして、別ウィンドウで全画面表示を立ち上げてから、画面下のタイトル表示「○○の主要ポイント(morigasuki.net)」部分の白枠を押せば、各コースを選ぶことが出来ます。
パソコンでの別ウィンドウでの全画面表示は、地図の右上の四角いボタンを押してください。
地図上に書かれた各コースのルートは、手書きで作成しており、正確に記していますが、微妙にずれていることもありますので、大体の目安とお考えください。
北八ヶ岳の主要ポイント。各コースはレイヤーを選択すると見られます。
この地図をグーグルマップ上に表示させて、登山中に現在位置を確認することもできます。
PCやスマホで使う場合の詳しい設定方法を書きましたので、ご覧ください。
2.各コースの紹介(1) 初心者でも楽しめる日帰りコース4つ
コース1.(ロープウェイ利用)北横岳往復 (所要 2H)
ルートは以下の通りです。
北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅2,237m~(10M)~坪庭~(25M)~三ツ岳分岐~(5M)~北横岳ヒュッテ~(5M)~七ッ池~(10M)~北横岳(南峰)~(5M)~北横岳2,480m (登り 1H)
北横岳2,480m~(15M)~北横岳ヒュッテ~(30M)~坪庭~(10M)~北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅2,237m (下り 55M)
登山口までは、北八ヶ岳ロープウェイを利用します。
北八ヶ岳ロープウェイ(長野県茅野市北山4035-2541 TEL 0266-67-2009)は、山麓駅の標高1,771mから標高2,237mの山頂駅まで、標高差は466mをおよそ7分間で上ります。
ロープウェイの営業時間は、季節や天候によって変わりますので、事前に必ず確認しておきましょう。
山頂駅には、坪庭という溶岩台地が広がります。
観光客は、主にこの坪庭を1周約30分で散策します。ゴツゴツした岩が広がる坪庭には、初夏になるとイワカガミやコケモモなどの高山植物が見られます。
イワカガミ
山頂駅は、4つの登山道の起点となっています。北横岳をはじめ、縞枯山、麦草峠、山麓に下る道があります。
北横岳の正式名称は「横岳」ですが、同じ八ヶ岳の10㎞ほど南に同名の横岳があり、区別のため北横岳とよばれます。
登山は、この坪庭の散策路がスタート地点になります。散策路をしばらく歩くと、北横岳への登山道分岐点が現れますので、そこを左に進みます。ここからは、針葉樹の森を歩きます。
三ツ岳分岐を左に進み、しばらく歩くと北横岳ヒュッテ(長野県茅野市北山4035-2 TEL 090-7710-2889)に出ます。北横岳ヒュッテは、予約がない日には閉鎖しているので、宿泊する場合には必ず予約を取りましょう。
ここで、北横岳ヒュッテから5分ほど歩くと、七ッ池があります。静かな場所にたたずむ小さな池です。時間に余裕があれば、ちょっと寄り道してみましょう。
北横岳ヒュッテからあと15分ほどがんばれば、一つ目の山頂、南峰(標高2472m)です。南八ケ岳や南アルプス、中央アルプスなどの展望が開けます。
5分ほど歩くと最高峰の北峰(標高2480m)へ。もう一つの日本百名山の蓼科山(標高2530m)が間近に迫って見えます。
北峰より望む蓼科山
帰りは同じコースを引き返します。亀甲池方面や大岳方面に進まないように注意してください。
坪庭は、時計回りの一方通行なので、登山道分岐まで戻ってきたら、左方向に進むようになります。
下山後には、ロープウェイの駅で休憩をしたり、お土産を買ったりすることができます。特に山麓駅のスカイレストランこまくさ亭は、規模が大きくメニューが充実しています。
また、坪庭の台地を下りた木道に出て、左側の雨池方面にしばらく進むと三角屋根の縞枯(しまがれ)山荘(さんそう)(長野県茅野市北山4035 TEL 0266-67-5100)に出ます。ここで休憩を取ったり宿泊したりすることも可能です。宿泊する場合には、予約が必要です。
コース2.麦草峠から白駒池を周遊散策するコース (所要 3H)
ルートは以下の通りです。
麦草峠駐車場2,127m~(50M)~丸山2,330m~(15M)~高見石小屋~(35M)~白駒荘・白駒池(1周40M)~(15M)~白駒池入口~(25M)~麦草峠駐車場2,127m (計 3H)
丸山、高見石小屋を経由して、八ヶ岳の南側にある白駒池を散策する、手軽に楽しめるルートです。
麦草峠(2,127m)は、茅野市と佐久穂町の間にある峠で、国道299号線(通称メルヘン街道)沿いにあり、近くに無料駐車場(30台)もありますので、車でのアクセスが大変便利な登山口です。
また、白駒池にだけ気軽に行きたいという人のために、有料駐車場(500円、160台)が白駒池入口にあります。麦草峠からは歩いて30分ほどです。
麦草峠には山小屋の麦草ヒュッテ(長野県茅野市北山8241-1 TEL 0266-78-2231)もありますので、休憩や登山の前後泊にも使えます。
初心者でも日帰りで北八ヶ岳の魅力をたっぷり味わえるぜひおすすめしたいコースです。
注意点ですが、北八ヶ岳の登山道は、苔蒸した森の中で大きな岩の合間をぬって歩く道が多いです。
針葉樹の香りに包まれ、苔の緑に囲まれた森はとても神秘的ですが、岩が苔で滑りやすくなっていたり、浮石があったりすることがあります。靴底のしっかりしたトレッキングシューズをはいて、足元には十分に気を付けて歩きましょう。
丸山(標高2,330m)は、岩だらけで、展望もない山ですが、道中新鮮な森の空気を吸いながら歩けます。
高見石小屋(連絡先 神奈川県茅ヶ崎市柳島海岸2-27 TEL 0467-87-0549 八ヶ岳ネイチャークラブ)は、森の中に建つ小さな山小屋です。テラスもあってとってもおしゃれな小屋で、牛丼、おでん、きのこ汁、ナンカレーなどの食事や、各種アルコールやイワナの燻製などのおつまみ、おしるこなどが食べられます。
高見石小屋にザックを預けて、すぐそばにある高見石まで登ってみましょう。
そこから見える、針葉樹の森にぽっかりと空いた池は、この後に下る白駒池です。
白駒池は、紅葉の名所です。シーズンになると観光客とカメラマンがひしめき合うほどの人気スポットです。
白駒荘(長野県茅野市北山6581 TEL 0266-78-2029)は、食事、休憩施設も充実していて、池にくりだす貸出ボートも営業しています。
白駒池からゴールの麦草峠に向かう途中で、森の中から視界が開けるところがあります。奇岩が並ぶ白駒の奥庭と呼ばれる場所で、見どころです。
ゴゼンタチバナ
なお、このコースでは、スタート地点を白駒池入口にして歩くことも可能です。白駒池入口にある駐車場は有料ですが、収容台数も多いので、麦草峠で駐車できなかった場合に検討してみてください。
コース3. 森林浴と景色を楽しみながら縞枯山(しまかれやま)、茶臼山(ちゃうすやま)を巡る周遊ルート (所要 4H30M)
ルートは以下の通りです。
ロープウェイ山頂駅2,237m~(20M)~雨池峠~(35M)~縞枯山2,403m~(35M)~茶臼山2,384m~(50M)~大石峠~(20M)~麦草峠2,127m~(35M)~狭霧園地~(10M)~出逢ノ辻~(25M)~五辻~(40M)~ロープウェイ山頂駅 (4H30M)
北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅を降りると、坪庭方面ではなく雨池・縞枯山方面に木道をまっすぐ東側に進みます。
縞枯山荘を通り過ぎ、雨池峠を右(南)に進むと縞枯山・茶臼山への登山道に入ります。
北八ヶ岳特有の針葉樹の森を登っていきますが、結構きつい登りが続きます。
縞枯山(標高2,403m)の山頂は、狭くて眺望のないところですが、東側に少し歩くと明るい展望台に出て、麦草峠を見下ろすことができ、浅間山方面を望むこともできます。ここで休憩を取る人の姿をたくさん見かけます。
茶臼山(標高2,384m)の山頂も狭いところにあるのですが、西側に少し入ると展望台に出て、一気に眺望が開けます。縞枯山や北横岳、蓼科山、南八ケ岳をはじめ、遠くにアルプスの山々を望めます。その日のハイライトと言える景色が待っているのです。
ここに来て、縞枯山方面を眺めると、あることに気づくと思います。
緑の針葉樹林の山肌に、ところどころ横一列に木が枯れて白くなり、何列もの縞模様が見られるのです。これを縞枯現象と呼び、山の名前の由来にもなりました。
この白い縞模様は、年に1.7mほど山頂に向かって上昇しているそうですが、その原因はよく解明されていないそうです。
麦草峠までは森の中のアップダウンをくり返します。
麦草峠では国道を渡り、麦草ヒュッテの裏側にまわり、国道に並行して延びる山道を、西側の狭霧苑地(さぎりえんち)方面に進みます。
狭霧苑地に着いたら、再び国道を渡り、北側に進みます。
出逢ノ辻を経て五辻までは緩やかな針葉樹林の道を進みます。五辻から草原の道を進むとゴールのロープウェイ山頂駅に到着です。
なお、このコースは、ロープウェイを利用するルートですが、スタートを麦草峠にして、逆回りの茶臼山から先に登るルートも可能で、ロープウェイを使わない分リーズナブルです。
ただし、麦草峠の無料駐車場は、30台までしか駐車できないので注意しましょう。
コース4.北八ヶ岳から唯一富士山が望めるルート (所要 4H50M)
ルートは以下の通りです。
白駒池入口2,100m~(40M)~白駒池南岸~(1H20M)~にゅう2,352m~(1H)~にゅう分岐~(20M)~中山2,496m~(40M)~高見石~(50M)~白駒池入口2,100m (4H50M)
にゅう(標高2,352m)は、岩峰になっていて、富士山が見える穴場スポットです。
白駒池との往復だけなら3時間で済みますが、余裕があればぜひ中山(標高2,496m)の方にも回ってぐるりと1周してみましょう。
白駒池南岸からは、しばらく木道が敷かれた白駒湿原を進みます。
次第に石のゴロゴロした針葉樹の森に入ります。
岩や木の根で滑ったりつまずいたりしないように慎重に歩きましょう。
森が深くて道がわかりづらい場所があるので、木につけられた赤い布や赤いテープなどの目印を確認しながら進みましょう。
歩いてきた道を左に曲がると視界が開け、にゅうの真下に着きます。天狗岳や硫黄岳の荒々しい姿の山々の左側から富士山が視界に飛び込んできます。
にゅうの岩峰の頂上からは、白駒池や、北八ヶ岳の山々も一望できます。
にゅうの頂上には、岩峰の左側に回りこんで登ることができます。南側は断崖で、頂上は狭くなっているので慎重に行動しましょう。
元来た道を左側に曲がり、にゅう分岐に向かいます。ロープに従って小さな窪地を超えたら、南側が断崖になっていますが、端から少し離れた森を進む道となっています。
北八ヶ岳の苔
にゅう分岐を右側の中山方面に進みます。
中山の頂上から少し進むと中山展望台に着きます。広々とした岩場なので、登山道を見失わないように、まずは標識で位置を確認しておきましょう。
ここでは、西側の展望が開け、北アルプスの山並みが望めます。標識を北東(左側)に進み森の中を歩いていくと高見石小屋に着きます。
高見石小屋から白駒池には、高見石の南(右側)の道を下ります。
白駒池については、前掲のコース2を参考にしてプランを立ててください。
日帰りコースのまとめ
これまでにご紹介した日帰りコースですが、山小屋泊を途中に入れてコースを組み合わせると、より充実した山行となることでしょう。
八ケ岳には、たくさんの山小屋がありますので、山小屋デビューにも登山のステップアップにもぴったりの山域です。
次は八ヶ岳の山小屋に泊まってステップアップを目指すコースをご紹介します。
3.各コースの紹介(2) 山小屋泊でたっぷり楽しむコース4つ
ここでは山小屋泊を組み合わせたコースをご紹介します。
八ヶ岳には、たくさんのピーク、たくさんの登山口、たくさんの山小屋があります。
どこに登る?
どこから登る?
どこに泊まる?
どれから決めても非常にたくさんの登山コースを組むことができます。
北八ヶ岳の主なピーク、登山口、山小屋をできるだけカバーできるようなコースをご紹介します。
コース5. (ロープウェイ利用)北横岳と池めぐり (1泊2日 ただし所要6H)
1日目(所要 約3H)
1日目のルートは以下の通りです。
北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅2,237m~(10M)~坪庭~(25M)~三ツ岳分岐~(5M)~北横岳ヒュッテ2,365m~(5M)~七ッ池~(10M)~北横岳(南峰)2,471m~(5M)~北横岳(北峰)2,480m~(1H)~亀甲池~(40M)~双子池ヒュッテ2,030m(泊) (計2H40M)
登山口となる北横岳ロープウェイの山頂駅~北横岳(北峰)は、北八ヶ岳登山の日帰りコース紹介のコース1を参照してください。
北八ヶ岳によく見られる可憐な白い花。オサバグサ(6月頃)
北横岳北峰からは、北西の「亀甲池・双子池・天祥寺原」方面に下ります。
東の「大岳・双子池」方面に迷い込むとかなり危険な箇所があるので注意してください。
亀甲池までは、かなり急な下りが続くので足元に注意して歩きます。
亀甲池では、池の中に、甲羅のような形をした亀甲構造土が並んでいるのが見られます。
亀甲池を過ぎ双子池に着くと、雄池と雌池があり、その間に双子池ヒュッテがあります。神秘的な森の池畔に建つ小さな山小屋で、天ぷらや鍋料理に舌鼓を打ちながら、旅の疲れを癒しましょう。
双子池ヒュッテ:長野県南佐久郡佐久穂町畑5906 電話090-4821-5200 営業期間 5月下旬~10月下旬 予約希望 テント場もあり
2日目
ルートは以下の通りです。
双子池ヒュッテ2,030m~(1H40M)~雨池~(1H)~雨池峠~(20M)~ロープウェイ山頂駅2,237m (所要時間3H)
双子池から林道大河原線の双子池入口に出て、右に10mほど歩くと、左手に、「うその口(鷽ノ口)集落」方面に向かう林道がありますので、そちらに進みます。
この林道を3分ほど進むと、左手に大きく迂回する林道と、それをショートカットする右手の旧登山道がありますので、右手の旧登山道に入り、10分ほど下ってから、迂回してきた林道に合流します。
このショートカットは、旧登山道を数年前に歩けるようにした道です。
ガードレールのあるカラ川橋を渡って「うその口集落」に分かれる道を左に分け、右の雨池方面に進みます。
樹林帯を進むと雨池に到着します。
雨池も原生林に囲まれた静かな池です。
水の量は、その名の通りその季節の雨の量によって変化するそうです。
雨池峠までの道は、急な登りが続く石がゴロゴロした道です。ゴールは目前、このルート最後の正念場ですのでがんばりましょう。
雨池峠から山頂駅へは、北八ヶ岳登山の日帰りコース紹介のコース3にも紹介しています。
コース6.白駒池から天狗岳(2,646m)登頂(中級コース 1泊2日 所要 9H)
天狗岳は、東天狗と西天狗の2つのピークを持った双耳峰で、北横岳と並ぶ北八ヶ岳を代表する山です。
西天狗の方が若干高く、こちらが天狗岳と呼ばれています。
北八ヶ岳らしいなだらかな山容の西天狗に対して、東天狗は岩場を登り、東側が断崖になっています。
大きな岩峰の「天狗の鼻」がシンボルの荒々しい山容です。
1日目
ルートは以下の通りです。
白駒池入口2,100m~(40M)~白駒池南岸~(1H20M)~にゅう2,352m~(1H)~にゅう分岐
にゅう分岐~(15M)~中山峠~(5M)~黒百合平2,433m 黒百合ヒュッテ2,383m(泊) (所要 3H20M)
白駒池入口からにゅう分岐までのルートは、コース4を参照してください。
にゅう分岐を過ぎると間もなく天狗岳が視界に入ります。ここまで来れば黒百合ヒュッテはすぐです。
早朝に出発すれば、その日のうちに天狗岳往復も可能ですが、危険な岩場もあったりするので、余裕を持って登頂は明日に回します。
黒百合ヒュッテは、歴史のある山小屋ですが、きれいなトイレもあり、清潔感があります。
ランチやカフェも充実していて、こけももケーキやビーフシチューなどおしゃれなメニューが人気です。
黒百合ヒュッテ:長野県茅野市宮川8065-1 電話 0266-72-3613 通年営業 要予約 テント場あり
2日目
ルートは以下の通りです。
黒百合ヒュッテ2,383m~(20M)~天狗の奥庭~(1H)~天狗の鼻~(5M)~東天狗岳2,645m~(20M)~西天狗岳2,646m~(20M)~東天狗~(1H5M)~黒百合ヒュッテ~(1H15M)~にゅう2,352m~(2H50M)~白駒池入口2,100m (所要時間5H40M)
大きなザックは黒百合ヒュッテに預け、身軽になって西天狗岳までを往復します。
天狗岳とすりばち池
黒百合ヒュッテから山頂に向かって西(右側)から登ってみます。
すりばち池の西側は、「天狗の奥庭」と言うゴツゴツした溶岩台地になっていて、その合間を登っていきます。
岩に付けられた白丸のペンキ印をたどって歩きます。
次第に傾斜がきつくなり、岩が細かくなってきますので、滑らないように注意してください。
中山峠から直接登ってくる主稜線に合流して、天狗の鼻を過ぎ、約30メートルの鎖場を慎重に登れば、東天狗岳の山頂です。
山頂からは、360度の雄大なパノラマが広がります。
南側には、南八ケ岳の山々に続く稜線が目の前に迫り、そこをそのまま歩いてみたくなるような気分をかき立てられる景観です。
山頂で絶景を楽しんだら、今度は西天狗岳に足を延ばしてみましょう。西天狗岳の頂上からは、西側の展望が素晴らしく、南アルプス、中央アルプス、御嶽山、北アルプスなどが望めます。
東天狗岳からの下りは、元来た道を戻り、中山峠に向かって下りてみましょう。
黒百合ヒュッテで休憩したら、今度は下山です。来た道を戻り、にゅう分岐からは、コース4を参照してください。にゅう分岐から白駒池のコースは、前掲の逆ルートを歩くことになります。
コース7.奥蓼科温泉郷の渋ノ湯から天狗岳に登る周遊コース(中級コース 1泊2日 所要 9H50M)
1日目
ルートは以下の通りです。
渋ノ湯1,860m~(1H30M)~賽ノ河原地蔵~(40M)~高見石~(1H)~中山~(30M)~中山峠~(5M)~黒百合平 黒百合ヒュッテ2,383m(泊) (所要時間3H45M)
渋御殿湯から登山口に入り、橋を渡るとすぐに黒百合平への道との分岐(黒百合平・高見石の分岐1)があります。行きは、高見石方面の左側に進みます。
渋川沿いを進むともう一度分岐(黒百合平・高見石の分岐2)がありますが、右に曲がらず高見石方面に直進します。
川の水は、次第に枯れてきますが、途中、増水した時の迂回路があります。水がなければ、右側の本道を歩きます。
夏には可憐な花が咲きますので、花に癒されながら岩の道を進みます。
視界が開け、ゴロゴロの岩が広がる場所が賽ノ河原です。
赤と白のペンキ印に沿って登っていくと、左手に賽の河原地蔵が現れます。
そのまままっすぐに登っていくと、しばらくして登山道が左(北)側に直角に折れます。緑色のロープと赤い布をしっかり確認して登ってください。
苔むした森に入ると間もなく高見石小屋に着きます。
ここから中山方面に進みます。方角が分かりづらいので、標識や地図・コンパスで道をよく確認してください。
高見石小屋から黒百合ヒュッテまでの道のりは、コース6を参照してください。
この日は、黒百合ヒュッテに泊まります。
黒百合ヒュッテの情報もコース6を参照してください。
2日目
ルートは以下の通りです。
黒百合ヒュッテ2,383m~(20M)~天狗の奥庭~(1H)~天狗の鼻~(5M)~東天狗岳2,645m~(20M)~(西)天狗岳2,646m~(20M)~東天狗岳~(1H5M)~黒百合ヒュッテ~(5M)~黒百合平~(45M)~渋の湯・唐沢鉱泉分岐~(25M)~八方台方面・渋の湯方面分岐~(40M)~渋ノ湯1,860m (所要時間5H5M)
天狗の奥庭から望む御嶽山
黒百合ヒュッテから天狗岳往復は、コース6を参照してください。
黒百合ヒュッテに戻り、渋の湯・唐沢鉱泉分岐方面へ進みます。
渋の湯・唐沢鉱泉分岐までは、黒い岩がゴロゴロした道を下ります。岩がぬれているとすべりやすいので、慎重に歩きましょう。
渋の湯・唐沢鉱泉分岐では、広い場所があるので休憩もできます。
渋の湯・唐沢鉱泉分岐からは、二つの登山口に下山できます。
分岐を左に下ると唐沢鉱泉に着きます。信玄の隠し湯と言われる歴史ある温泉です。
本コースは、分岐を右に下り、スタート地点の渋ノ湯に戻ります。
八方台方面・渋の湯方面分岐までは、おだやかな尾根道を歩きます。
八方台方面・渋の湯方面分岐では、右(北西)に下ります。途中、高見石方面への分岐(黒百合平・高見石の分岐3)を右に見送り、渋ノ湯に戻ります。
渋温泉から天狗岳
渋ノ湯は、天狗岳の登山口として最も有名で、唐沢鉱泉と同様に信玄の隠し湯と呼ばれる歴史ある温泉です。
温泉宿がありますので、前後泊や下山後の汗流しに便利です。
渋御殿湯
長野県茅野市奥蓼科温泉 電話0266-67-2733
日帰り入浴 ※西の湯のみ
大人 1000円・小学生 800円
(部屋休憩料金2000円の支払いで西の湯と東の湯の利用可能)
営業時間 10:00~15:00(受付終了14:30)
定休日 無休
男女別内湯 各2
男女別露天 無
pH値 2.7(単純酸性硫黄泉)
コース8.北八ヶ岳縦走コース(上級コース 1泊2日 所要 10H20M)
北八ヶ岳の天狗岳、東天狗岳、箕冠山(みかぶりやま)、根石岳を縦走するコースです。
1日目
ルートは以下の通りです。
稲子湯1,520m~(15M)~みどり池入口~(30M)~屏風橋~(1H)~こまどり沢~(30M)~みどり池~(1H)~本沢温泉方面分岐(みどり池方面分岐)~(10M)~本沢温泉2,100m(泊) (所要時間3H25M)
みどり池入口のバス停から屏風橋までは、白駒林道をショートカットするような登山道を進みます。
登山道のカラマツ林は、初夏の新緑も美しいですが、秋に黄葉した森が黄金色に染まる景色は圧巻です。
屏風橋は2012年の台風で傷み、現在は橋を渡らずに迂回する道が登山道になっています。屏風橋の手前の案内に従ってください。
こまどり沢までは、所々にレールが現れます。かつて、材木をトロッコで運搬した跡だそうです。
「みどり池、はっても30分」というユニークな看板に励まされ、本当に30分森の中を歩くと、みどり池に出ます。
池を見上げると天狗岳がそびえ立つのが見られます。条件がよければ、湖面に映る「逆さ天狗」を見ることもできます。
みどり池には、しらびそ小屋(連絡先 長野県南佐久郡南牧村海尻400-3 電話0267-96-2165)が建っていて、人気の休憩スポットになっています。コーヒーやチーズケーキなどのカフェメニューもあります。
窓際にリスや小鳥が遊びに来るので、運がよければかわいらしい動物に出会えるかもしれませんね。
池を離れ、中山峠・本沢温泉分岐で中山峠方面への道を右に分けて進んでいくと、初夏には、ピンク色で染まるクリンソウの群落があります。
ここでは右ではなく、左に進みます。
本沢温泉・みどり池方面分岐を右に曲がりしばらくすると、本沢温泉に到着です。
湯元 本沢温泉
長野県茅野市玉川2382-5 電話 090-3140-7312
宿泊は予約希望(入湯税150円)
日帰り入浴:内風呂800円・野天風呂600円・石楠花風呂700円(露天閉鎖時の冬季専用内湯)
定休日 無休(通年営業)
男女別内湯 各1
露天1(混浴の野天)
pH値 2.3
本沢温泉は、源泉が標高2150mにあり、通年営業では日本で一番高いところにある温泉です。
野天風呂からは、硫黄岳の爆裂火口を見上げることができ、野趣にあふれています。
2日目
ルートは以下の通りです。
本沢温泉2,100m~(1H)~夏沢峠~(35M)~箕冠山(みかぶりやま)2,580m~(20M)~根石岳2,603m~(40M)~東天狗岳2,645 m~(20M)~西天狗岳2,646m~(20M)~東天狗岳2,645 m~(1H)~中山峠~(1H10M)~みどり池~(1H30M)~稲子湯1,520m (所要時間6H55M)
2日目は、本沢温泉から野天風呂の横を通り過ぎ、夏沢峠に向かいます。
夏沢峠にある山びこ荘(連絡先 長野県茅野市玉川2382-5 電話 090-5446-1205 予約希望)は、ヤマネとモモンガの棲家になっていて、早朝や夜になると巣穴から出てきてひまわりの種を食べに来るところが見られます。
動物好きの方は、ここを宿泊地にしてプランを立ててみるのもよいですね。
夏沢峠からは、進路を北に変え、根石岳・天狗岳方面に進みます。
箕冠山の頂上を過ぎると根石岳との鞍部に根石岳山荘(連絡先 長野県茅野市中大塩13-73 予約受付 0266-73-6673 予約希望)があります。
お風呂があり、宿泊者は入浴可能で、また、稜線上にあるのでご来光と夕日の両方を望めます。
山荘の周辺は高山植物の女王と言われるコマクサの群生地となっています。
根石岳の山頂まで来れば天狗岳が目前に迫ります。白砂新道分岐をまっすぐ北に進み、鎖場を抜け、鉄の桟橋を渡れば、東天狗の頂上に到着します。
2つの頂上で展望を楽しんだら、中山峠方面に下ります。
中山峠では東(右)のみどり池方面に下ります。
いきなり露岩の鎖場を急下降します。足元に注意しながら下って行くと、中山峠・本沢温泉分岐で前日登ってきた道と合流し、みどり池に出ます。
分岐を過ぎこまどり沢からは、通行止めとなっている左に行かず、案内に従って右に入ります。
来た道と同じ道を下り、ゴールの稲子湯に向かいます。
下山後には、稲子湯で汗を流すのもよいでしょう。
稲子湯旅館
長野県南佐久郡小海町稲子1343 電話 0267-93-2262
日帰り入浴 9時~16時(受付終了15:30)
大人650円
定休日 無休(通年営業)
男女別内湯 各1
男女別露天 無
pH値 4.9
なお、このコースで稲子湯に前泊すれば、早朝からの行動が可能ですので、本沢温泉以外の山小屋に泊まって縦走を楽しむことができます。
個性的な山小屋がたくさんあるので、いろいろなプランを検討してみる価値はあるでしょう。
4.下山後のお楽しみ 日帰り温泉
西の諏訪方面、北の佐久方面、それぞれに下山した場合の、日帰り温泉を紹介しました。
≪諏訪方面≫
奥蓼科温泉 渋・辰野館
〒391-0213 長野県茅野市奥蓼科温泉
電話 0266-67-2128
営業時間 11:00~16:00
入浴料金 大人 1,500円 小学生 1,000円 幼児 500円
定休日 無休
男女別内湯 各3
男女別露天 各1
pH値2.9
蓼科温泉 テラス蓼科リゾート&スパ
〒391-0301 長野県茅野市北山4035-949
電話 0266-67-0100
営業時間 14:00~22:00(最終受付)
入浴料金 大人 1,100円 小学生 600円
定休日 不定休
男女別内湯 各1
男女別露天 各1
pH値3.15
蓼科温泉 小斉の湯
〒391-0301 長野県茅野市北山蓼科4035
電話 0266-67-2121
営業時間 8:00~20:00
入浴料金 大人 600円 小人 400円
定休日 無休
男女別内湯 各1
男女別露天 男2、女3(男性用1、混浴1、女性用2、貸切1)
pH値3.0
湯川温泉・河童の湯
〒391-0301長野県茅野市北山湯川
電話 0266-77-2929
営業時間 7:00~21:30(最終受付21:00)
入浴料金 大人400円 中学生以下300円
定休日 木曜日
男女別内湯 各1
男女別露天 各1
pH値8.92
≪佐久方面≫
北八ヶ岳松原湖温泉 八峰の湯(やっほーのゆ)
☆広くて清潔感があり、休憩もゆっくりできる、筆者一押しの温泉です!
温泉から佐久方面に下ると松原湖に出ます。松原湖は、映画『君の名は』の聖地とも言われていますよ!?
〒384-1103 長野県南佐久郡小海町大字豊里5918-2
電話 0267-93-2288
営業時間 10:00~21:00
入浴料金 大人500円 小人(4歳~小学生)200円
食事処2ヶ所あり(広くて、メニューも充実しています!)
定休日 不定休
男女別内湯 各2、岩盤浴1、サウナ1
男女別露天 各1
pH値6.83
海尻温泉 灯明の湯
〒384-1301長野県南佐久郡南牧村海尻字栗谷上日向中1465-1
電話 0267-91-4111
営業時間 11:00~21:00(最終受付20:20)
入浴料金 大人800円 子供500円 幼児300円(全額UNHCRに寄付)
定休日 不定休
男女別内湯 各1、サウナ1
男女別露天 各1
pH値6.8
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