ヤンバルクイナに会いに沖縄に行こう!生態や観光ツアーもご紹介
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最終更新日:2018/01/09
生きもの(Living thing)
ヤンバルクイナといえば、沖縄にいる、変わった名前の珍しい鳥、というのはご存じですね。
いったいどんな鳥なのでしょうか。
1.ヤンバルクイナってどんな鳥?
ヤンバルクイナとは、沖縄の「やんばる」と呼ばれる沖縄島東部の国頭村、大宜味村、東村にしか生息していない、国の天然記念物の鳥の名前です。
この生息地の森はカシやシイなどの常緑広葉樹林で、ほかにも数種類の鳥がここだけで生息しています。
ヤンバルクイナは現在1500羽ほどしかいない希少野生動物で、一時は絶滅が危惧されていました。
現在は天敵のマングース防除や人工・自然孵化などの努力によって保護され、少しずつ数が回復しています。
全長が約30センチ、体重は400g前後で、くちばしが赤く、顔やのどの部分は黒、羽根は茶色っぽく、お腹の部分に白い横筋が入っています。
羽根はありますが体に対して小さめで、翼を動かす胸の筋肉が発達しておらず、殆ど飛ぶことができないとされています。
雑食で、昆虫、爬虫類、種子なと、土の中の虫からカタツムリ、種まで太くて大きいくちばしでつついて割り、中身を食べます。
声は大きく、夕方になるとよく鳴いています。
昼間は茂みの中にいますが、夕方になると木に登り、太い横枝に止まって寝ます。
足の筋肉が非常に発達していて、茂みの中をすばやく移動することが出来ます。
2.なんで絶滅しそうになっているの?
一番大きな原因はマングースやノネコの捕食です。
そのほか沖縄の乱開発によって生息地が破壊されたり、自動車による轢死も多いのです。
特に5~6月、仔鳥が巣立つ頃は食欲が旺盛になり、親鳥が餌を探して動き回るため、交通事故に会ってしまうようです。
1年で、43羽が死亡したこともあります。
それでも、NPOや環境省が保護や孵化に力を入れていて、マングースの捕獲などの効果もあり、ここ数年は少しずつ増えて来ています。
3.見ることはできるの?
やんばるの地は、森林地帯のため、専門のガイド付きのツアーがいくつかあります。
国頭村環境教育センター主催のバードウォッチングでは、宿泊者のみ参加できます。
1泊2食付きで1名での宿泊なら10,070円、2名なら1名につき7,500円。
バードウォッチングは約2時間、早朝におこない、別途3,600円かかります。
ヤンバルクイナを探しに行くだけのツアーなら、早朝かナイトコースで各7,000円ほど。
また、名鉄観光などで、飛行機とホテル・食事付きのツアーが各地から出ています。ツアーは現地申込になるようです。
また、ヤンバルクイナ生態展示学習施設が国頭村内にあり、年中無休、9時から17時まで開設しています。
生きているヤンバルクイナに会う事ができますよ。
料金は大人500円、子供200円です。
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