トムテとニッセって妖精?北欧スウェーデンのクリスマスを徹底解説!

公開日: : 最終更新日:2018/03/09 クリスマス(Christmas), ショッピング(Shopping), 生活(Life)

トムテ?
ニッセ?

日本では馴染のない言葉ですが、北欧ではとっても大切な存在。
トムテとニッセの違いや役割を紹介しましょう。

スポンサードリンクス




1.何者?トムテとニッセは違うの?

トムテ、そしてニッセ。何者なのでしょうか?

実は、この二つは同じ者なのです。
者ではなく、同じ人と言っても良いでしょうか?!

スウェーデン語では、「トムテ」、そしてノルウェー語、デンマーク語では「ニッセ」と言います。一部スウェーデン南部でも「ニッセ」と呼ぶエリアもあるのですが、これは、地理的要因が影響していると考えられます。
スウェーデン南部は、橋で隣国デンマークに行けるくらい二か国間が隣接しているのです。

スウェーデン、デンマーク、そしてノルウェーの北欧三カ国ではクリスマスにこのトムテやニッセが大活躍します。

5-1(photo pixabay)

イメージとしてはこの写真の感じです。中央でスキーを履いている人ではなく、その右側にいるヒトにご注目ください。

「サンタクロース?」

はい、正解でもあり不正解でもあります。

スポンサードリンクス

スウェーデンでは「ユールトムテ」

スウェーデン語でクリスマスの事を「ユール」と言い、サンタクロースの事は「ユールトムテ」と言います。日本でお目にかかるサンタクロースと同じような感じで、ユールトムテは子どもたちにプレゼントを配ります。

一方デンマークでは、ニッセはサンタクロースに替わってプレゼントを届ける人とされています。基本的には人の目に見えません。しかし、見えるときには髭を生やした老けた老人がもともとの姿だと言われています。

ですが、今ではかわいらしいニッセやトムテも登場しています。上記写真の中央のような小人がそうです。そう考えると、日本でも見たことがあると思います。

本来のトムテ、そしてニッセはクリスマスには関係なく、通年を通して存在しています。

民間伝承から生まれたトムテとニッセ

トムテもニッセも、北欧の民間伝承から生まれたものとされています。今回は、スウェーデンのトムテについて書きたいと思います。

トムテはとても働き者。彼らは農家の納屋に住んでいて、みんなが寝静まった後に納屋の掃除をしたり、家畜の世話をしたりします。そして、夜の間、納屋や母屋を守ります。

いつもきれいで家畜も元気な農家には、トムテがいると言われてきました。農家の守り神のような存在なのです。しかし、トムテは自分が大切にされていないと分かると、怒ったり悪さを働いたりして、この農家を出ていってしまいます。出ていかれた農家はさあ大変なことに!

ですから、トムテはとても大切にされました。

スポンサードリンクス




クリスマスイブは、トムテにとっても大切な日

日本では1月1日、新年を迎えるときが一年の中で特に大切な日とされていますが、北欧ではクリスマスが日本のお正月と同じくらいの位置を占めています。これは何も人間に限ったことではなく、トムテにとっても当てはまることなのです。

農家の人は、一年間の働きに感謝し、トムテに食事を出しました。そっと納屋に置いていつものように眠ると、トムテがこれを食べたのです。また、テーブルの上の御馳走を残しておく習慣もあり、これは夜起きているトムテもクリスマスのごちそうを食べられるように、という気持ちの表れなのです。

テーブルの上のごちそうはクリスマスディナー。とてもおいしいもので、たくさんの品数が並びます。そして納屋に置かれる食事は、ミルク粥。バターも入っています。

おかゆを食べる文化のある日本人なら「おかゆは塩気のあるもの」ですが、スウェーデンのおかゆはどちらかというと甘めです。そしてトムテが好むミルク粥は、名前の通り、牛乳の味がして、その上バターも入っています。

これはクリスマスにもちろん食べるものなのですが、今日では一年を通して、簡単にすぐに食べられるタイプのものも市場に出回っています。カップ麺ならぬ、カップミルク粥、といったところです。そして、甘いのでどちらかというと、デザート感覚とも日本人には捉えられるかもしれません。トムテは甘党さんなのかもしれませんね。

新しい宗教がスウェーデンに入ってきたことや、長年の年月を経てきたことなどから、トムテは今では「ユールトムテ」の方が身近になっています。しかし、もとのトムテはこのように、家を守ってくれる小さな小人だったのです。

その他のトムテ

クリスマスインテリアとしても身近なトムテですが、小説の中にもトムテはたくさん登場します。そこでは、「妖精」「小人」といった雰囲気で出ていることが多いです。

まず一つ目は、「ニルスのふしぎな旅」です。
テレビで放映された時期もありましたので、日本ではよく知られているお話です。作者はセルマ・ラーゲルレーフ。スウェーデン人です。

この話の中では、トムテは人間ニルスを小人に変えてしまいます。なぜなら、ニルスは納屋の動物たちを苛めてばかりいたからです。動物を大切にするトムテはこれを知り、ニルスの体を小さくしました。そしてそこから冒険が始まります。

二つ目は、「おもちゃ屋へいったトムテ」です。タイトルにトムテという言葉が出ています。
本物のトムテが、クリスマスに人形のトムテと間違って街のおもちゃ屋さんで売られてしまい、病気の男の子に元気をあげる物語です。

三つ目は、「もりのこびとたち」。スウェーデン語では「トムテボー バーネン」というタイトルで、「トムテ」という言葉が入っています。4人の小さなトムテが登場し、人間や危険な生きものから身を隠すために、毒キノコを帽子としてかぶっています。

これら二つの作家は、エルサ・ベスコフ。同じくスウェーデン人です。

全て日本語訳がされていますので、本屋で購入ができます。

5-2(photo pixabay )

2.まとめ

北欧を語るうえで忘れてはいけない存在がトムテやニッセ。
国による違いはありますが、どちらも民間伝承から生まれ、今日も人々の心に住んでいます。

一年中家を守り、1年に一回ご褒美をもらえるという伝統が残る一方、姿かたちを変え、かわいいアイテムとして窓辺に置かれるようにもなりました。
もしかしたら、トムテやニッセはあなたの家にもいるかもしれませんね。

スポンサードリンクス

関連記事

外国から見た日本 スウェーデンからはどう見える? 身の回り&ショッピング編

あなたの中の常識が、実は世界では異質だった!ということは良くあることです。 変な英語が書かれた

記事を読む

インスタントコーヒーの保存は、冷蔵庫やフタに付いた紙が重要!

今や、簡単にレギュラーコーヒーが飲める時代。 でも、自宅でさっと飲む時はインスタントコーヒ

記事を読む

イギリス風アフタヌーンティーのマナー 10個以上知っていますか?

イギリスのティータイムと聞けば、ホテルでのアフタヌーンティーを想像する人も多いのでは? あ

記事を読む

アメリカのバレンタインデーとは。もしかして禁断の恋も?

アメリカのバレンタインデーは、日本のように女性から男性に愛の告白をするのとは違って、先生から生徒

記事を読む

ひたちなか祭りの花火観覧場所、駐車場選びなど

ひたちなか祭りは、JR勝田駅周辺で行われる夏の祭典。今年の開催まであと少しです! そこで、

記事を読む

八王子周辺の健康ランドを順に7つ紹介します

健康ランドは、レストランや理髪店、ボディケアなどの施設があり、お風呂はジャグジーやサウナもありま

記事を読む

コーヒー豆の種類と味の特徴を知っていますか?美味しく飲む方法もご紹介

今やコンビニでも美味しい挽きたて・淹れたてコーヒーが飲める時代。 でも、豆の事をよく知らないま

記事を読む

梅干しのカロリーは?本当に健康に良いの?酸っぱくないのでもOK?

「梅干し」=健康に良いと言われていますが、いったい何が良いのでしょう。 あの酸っぱさが苦手

記事を読む

安曇野の日帰り温泉、おすすめトップ10を順に紹介します!

他の旅行サイトと違って紹介料などの受け取りなし! 純粋に安曇野の日帰り温泉の(個人的な)おすす

記事を読む

蜂に刺された時の対処法とは 針を抜き、患部を水洗いし、市販の虫刺され薬を

蜂と聞くと「刺す!」と連想する人が多いのではないでしょうか。 夏から秋には、テレビでスズメ

記事を読む

Comment

北欧の民間伝承として伝わる小さな妖精「トムテ」 – 北欧BLOG Natur へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

no image
しばらく更新お休みします。

morigasuki.netでは、山、本、温泉や特定地域などについ

南信州のワイナリーで見学ができ、レストランがあるところは?おすすめを紹介。

40を超えるワイナリーがあり、国内でも大きな勢力を誇るワイナリー県

塩尻周辺のワイナリーで見学ができ、ワイン購入やレストランが楽しめるところは?おすすめを紹介。

40を超えるワイナリーがあり、国内でも大きな勢力を誇るワイナリー県

筑波山周辺のオススメ健康ランド6施設+αを順に紹介します!

筑波山周辺で、敢えて温泉ではなく健康ランドに入りたいという方のため

筑波山の麓からはちょっと遠い日帰り温泉7施設+αを順に紹介します!

筑波山の麓というわけではありませんが、ちょっと足を伸ばしたり、帰り

→もっと見る

PAGE TOP ↑