「スウェーデンではザリガニ食べるの?!」「えっ?クレフトシーヴァ?」

国が違えば文化も異なる。世界は広し。
母国と違う文化に出会うとワクワクしながらも戸惑いますよね。

さて、今回はスウェーデンの食文化の一つ、ザリガニ料理の食べ方、ザリガニ祭り「クレフトシーヴァ」の全貌、ザリガニビジネス、そしてスウェーデン人のクレフトシーヴァの楽しみ方を覗いてみましょう。

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1.ザリガニはスウェーデンのポピュラーな食材

みなさんは、スウェーデンの伝統料理と聞いたら何を思い浮かべますか?
うーん、ちょっとすぐには出てこないですよね。IKEAに行ったことがある人なら少しくらいは出てくるかもしれませんが、一般的にはまだまだ情報が少ないスウェーデン料理。私もそうでした。

一言で言うと、スウェーデンの料理はとてもシンプル、そして体に優しいものがほとんどです。健康に気を遣っているスウェーデン人の国民性もそこから見えてきます。

さて、前置きはこのくらいにして、みなさんに質問です。
ザリガニ、食べたことありますか?

えっ?ザリガニ?ですよね。カニ、と名前に入っているから、これはカニの仲間?いや、エビの仲間?何だろう。そもそも、食べるの?川でするめを餌にして釣ってきて、水槽で飼うものではないの?

私はザリガニは飼ったことはないです。しかし、子どもの頃、釣りの得意な友達の家にはザリガニがいました。あのイメージしかありません。まさか、食べることになるとは。

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2.クレフトシーヴァ、魚介類好き日本人なら避けて通れないお祭り

スウェーデンではザリガニ、食べます。しかも夏の一大イベントです。
「クレフトシーヴァ(kräftskiva)」という立派な一種のお祭りで、8月にザリガニ漁が解禁になると始まります。和風に言えば、「ザリガニ祭り」です。

ええ!とかなりの衝撃だった方。それが普通ですね。だって、日本の一般的な食文化では食べないものですものね。

ちなみに私は食べました。おいしかったです
もう一度はっきり言いますが、おいしかったです
また食べたいと思うくらいです。

現地では私はこのクレフトシーヴァに3回参加しました。最初は大学主催、その次は、スウェーデン人友達の実家主催、そしてあと一回は、これまたスウェーデン人友達と行った町主催のクレフトシーヴァでした。

大学主催の時は、初めてだったので興味津々。フランス人留学生と一緒のテーブルになりました。彼らもおいしいおいしい、と食べていました。美食の国、フランスから来た人がおいしいと言っているのですから、魚と肉の和食の国、日本から来た私も負けてはいられません。隣のテーブルで「これは無理」と言っていた学生の分ももらって、フランス対日本、食べました。

もとから魚を食する習慣があまりない地域から来た留学生たちには、見た目もちょっとグロテスクなこのザリガニ君を食べることは無理だったようです。

私も最初は見た目がダメでした。だって、幼いころ遊びに行った友達の家にいたザリガニがたくさん茹で上がって山盛りになっているのですから。いくらきれいに盛り付けられていても、最初の一匹を食べるのは勇気が要りました。

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友人の家では、そのご家族が「日本人は魚も食べるし、あなたは大学のパーティーでも良く食べていたようだから」と出してくれました。

そして最後の、街主催のでは友達が一皿おごってくれたのですが、私はもっと食べたかったので、さらに一皿追加して食べてきました。

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お祭りでは、このようにお行儀よくザリガニ君が並んでいます
この絵を見ても食欲が衰えず、まさか、おかわりするまで自分が食べるようになるとは・・・・・。

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3.ザリガニのお味とお祭りの作法

ザリガニってどんな味なんだろう、と言いますと、エビのような感じです。おなじ甲殻類ですからね。そして、食べるところはほんのちょっぴりしかありません。身本体だけで、はさみはほとんど肉がありません。

その小さい一匹をちまちま、ちまちま、と食べるので、日本でカニをべると皆が無言になるように、ザリガニを食べるときもちょっと会話が減ります。日本のカニほどではありませんが。

ちなみに、クレフトシーヴァの時は、天井から写真のような何とも言えない顔の飾りを下げます。「月の男」というそうです。そして、参加者は、三角の紙製の帽子をかぶり、紙製のエプロンをつけます。ザリガニの茹で汁で服を汚さないようにするためです。

一般的にスウェーデン人はシャイで物静かと言われます。老若男女みんながおそろいのコミカルな三角帽子をかぶってエプロンをかけ、ザリガニを食べている様子はなんともユニークです。でもそれがザリガニ祭りなんです。

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photo by Jeanette eriksson

4.ザリガニたちは、いずこから

クレフトシーヴァの時期が近付くと、街のお店には月の男関連グッズが並びます。天井に付ける飾り、エプロン、紙ナプキン、紙皿、三角帽子、と。

しかし、私は思いました。
これだけのザリガニ、どうやって調達するのだろうか、と。

友人に聞いてみると、今は輸入物がほとんどで、国産(スウェーデン産)ザリガニはめったに食べられない、ということだったのです。

そんな中、私は国産ザリガニの生産場所を直に見て食べる機会がありました。
友人が、共同でザリガニの養殖、養殖という言葉が合うのかは分かりませんが、数家族が数年後のクレフトシーヴァの為にザリガニを育てているという施設を見せてくれたのです。そこでも、養殖をするのはあまりないということで、珍しいことだと教えられました。

その場でザリガニを食べさせてもらったのですが、味が全く違いました。一般的に食べられているものは輸入品で冷凍もの。それももちろん味は悪くないのですが、やはり国産は違います。なんとも新鮮な味がしたのです。貴重な体験でした。

スウェーデンでは、一年を通してこの冷凍ザリガニを購入することが可能です。しかし、通年販売している業者は一社のみで、夏のパーティーの時期になると様々な業者のものがお店に並びます。

さて、お店でパーティー用のザリガニを買うとなると、お値段が気になるところです。いろいろな産地や鮮度があるということもあり、お値段はマチマチですが、輸入物が多いので、そのザリガニがどこの国のものかで値段が変わってきます。そして、それらが冷凍ものかそうでないものか、湖で取れたものか、川でとれたものか、でも値段が異なってくるのです。

一般的に中国産は北欧産と比べると値段が安くなります。しかし、一番高いザリガニでも高級品ではなく、普通に働いていれば普通に買える値段の物です。

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5.クレフトシーヴァはホームパーティー感覚で

さて、概して海外の国は日本よりもパーティーが盛んです。スウェーデンに於いて、このクレフトシーヴァは一体どんな風に開催されるのでしょうか。

家庭でパーティーをする場合は、一般的に夕飯の時間にこのパーティーが始まります。そして家族親戚集まって、好きなだけ長く、遅くまで自由にやりますが、子どもが小さい場合は子どもが寝る時間に合わせてお開きにするのが一般的。日本はパーティー大国ではありませんが、ここは日本と同じですね。しかし、一度中断して、子どもが寝た後に大人だけでパーティーをまた再開する、ということももちろんあります。

そして、若者たちのグループではどうなのか、というともちろんのこと、“夜通し”を通り越して、朝までパーティーということも珍しくありません。

またイベントとして、ザリガニを提供するレストランもあるにはあるのですが、ほとんどは家庭で楽しまれるパーティーであるというのが一般的なスウェーデンの姿です。冷凍ザリガニや、調理がいくらかされているものを買ってきて家で食べるのです。

しかし、中には湖に行って自分で天然ものを釣って、自分で全て調理して食べる人もいます。国産の天然もの、となれば味はどんな感じなのでしょうか?たくさん食べたければ、たくさん自分で釣って調達しなければなりませんので、気合が入りますね。

6.まとめ

一年に一度夏の時期に行われるクレフトシーヴァ。スウェーデンにこの時期旅をしたら、ぜひとも試してみてほしいと思います。

自宅でやってみたいという方は、IKEAで売られているザリガニを手に入れてください。食べ方の説明をした用紙も置いてあるので、年間を通して販売しているのかは分かりませんが、スウェーデンに行かなくても体験できます。

勇気ある方はぜひともご賞味ください。

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