スウェーデン留学で居住許可(ビザ)を申請する流れ
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最終更新日:2018/03/14
スウェーデン(Sweden), 北欧(North Europe), 生活(Life)
今回は、留学によりスウェーデンの居住許可を得る流れを紹介します。
この居住許可のことをビザと呼んでいる情報をたまに見かけますが、留学には、正確にはスウェーデン移民庁の発行する居住許可が必要です。ビザではありません。
ビザとは、パスポートに押される、その国への出入国を許可する印で、ツーリストビザなら通常1~3か月、トランジットビザなら1~2週間の滞在が可能です。
居住許可を得た場合には、居住カードを手にし、税金を払いその国の社会保障制度を利用することも可能となることが普通です。
**目次**
1.魅力的な留学国 スウェーデン
北欧人気の高まりは、留学面でも同じことが言えます。一昔前までは、留学=欧米ということが多かったように思われますが、すこしずつ北欧の人気が高まっていき、今では多くの人が北欧に留学することに憧れを持っていると感じます。
今回は北欧のスウェーデンでの留学について話を進めていきたいと思います。
スウェーデン留学は魅力がたくさんです。
・大学をはじめ、留学先となる学校がたくさんあり、コースも様々なので自分で学びたい分野を選びやすいこと
・留学生にあたたかい国であること
・他のヨーロッパの国々が近いので、旅行がしやすいこと
・豊かな自然、長い歴史や素晴らしい文化にたくさん触れられること
・英語が通じること
など他にもたくさん挙げられます。
2.最新情報を得る!これが留学の第一歩!
ゆりかごから墓場まで。学費は無料。年をとることを嘆かない国、などとスウェーデンを象徴する言葉はたくさんあります。
日本の学費はとても高いです。人生の中で、「教育費」と「住居費」が支出の多くを占めると言われています。
それに学生時代に一人暮らしをした場合の生活費を合わせると、家計の負担は非常に大きなものになります。
その上留学をしたいとなると、日本と海外、ダブルで教育費が必要となるので、これはもう大変です。
スウェーデンは学費が無料という国でしたが、2012年に国の制度が変わってしまいました。これまでは留学生でさえも学費が無料でしたが、今では、留学生も学費が必要となりました。
単位数によって学費は変わってくるので、自分が何単位取得する予定なのか、そしてどのくらいの期間スウェーデンで学ぶのか、によってトータルの学費は変わってきます。
このように、これまでと大きく制度が変わった部分もありますので、留学を考える際には、最新情報を常にチェックすることを大切にしましょう。
3.スウェーデンの学校
スウェーデン大使館のホームページを見ると、留学先の学校区分として
・大学
・大学院
・国民学校
・高校
・その他
となっています。
スウェーデンでは一度社会人になって数年間働いたあとに学校にまた入りなおし、そして新しい分野やこれまでも学んできた分野を勉強するというスタイルが非常に多いです。
日本ではあまり見られないことですが、あちらでは特に特別な事でもないため、学校内には様々な年代の人がいます。高校を出てすぐくらいの若い人もいれば、20代後半の人、そしてそれ以上の人もいるので、日本の大学とは雰囲気も異なっています。
しかし、学ぶ意欲が非常に高いため、皆一生懸命です。このような人たちと出会うことも、あなたにとって大きな刺激になるでしょう。
4.留学による居住許可申請の流れ
それでは実際に、申請のおおまかな流れを紹介します。以下は、大学留学のケースです。
(1)留学先の大学を決め、申し込みをする。
交換留学の場合は、日本で在籍している大学の決まりに添いますが、個人で留学をする場合は、出願する大学を検討して申し込みを行い、留学の許可を受けなければいけません。
(2)学費を支払う
交換留学等の場合は、相互取り決めにより学費が無料のケースもありますが、現在は留学生にも学費の支払いが要求されていますので、ここで学費を支払います。全額ではなく、一部の支払いとなります。
(3)スウェーデン移民庁に居住許可申請をオンラインで行う
オンラインでスウェーデン移民庁に居住許可の申請を行います。
自分自身の事や学歴などについて記入し、必要書類を提出します。
必要書類は、パスポートの写し、留学が決定していること(相手先学校の受け入れ許可証等)の写し、銀行の残高証明書などが必要です。
銀行の残高証明書は、自分が口座を持っている銀行に出向き、英文で作ってもらえるようにお願いします。通常は数日、発行までにかかるようなので、時間に余裕を持って行動した方が良いでしょう。
毎月、何らかの収入(奨学金、仕送り等)がある程度あり、スウェーデンで自立して生活できることを証明する必要があるのです。最近ではこの収入額を月に8010SEK(1SEKを約12円として、約10万円)としているサイトもあります。
留学する学校の種類などにより、提出書類は異なってくることもあります。
(4)申請料を支払う
居住許可申請のための申請料を支払います。クレジットカード、もしくはデビットカードでの支払いとなります。
(5)審査結果が届く
スウェーデン移民庁で審査が始まり、結果を待ちます。
審査結果があなたのメールアドレスと留学先に通知されます。
5.許可が出たあとは
居住カードの受け取り
晴れて居住許可が出た後は、在日本スウェーデン大使館に足を運ぶことなく、現地スウェーデンに渡航することができます。現地に着いたらスウェーデン移民庁に行き、諸手続きを済ませ、居住許可カードを受け取ります。
住居の確保
留学するとなると居住先の確保が必要になります。
交換留学の場合は大学を通していろいろな手続きができるので、住む所に関してもあまり心配する必要はないのですが、個人で留学をするとなると、これらも全て自分で動かなければいけません。
ストックホルムなどの都会では、アパートなどの数も限られてくるので、留学生の分まで十分に数があるとは言えません。ホームステイを希望する場合は、受け入れてくれる家庭が無ければ実現できません。このように、住む所に対してよく考え、きちんと動くことはとても大切な事なのです。
日程に余裕を持った移動手段の確保
また、航空券の確保も大切です。直行便で行くのか、どこかを経由していくのか、など検討し、チケットを取得しておく必要があります。この場合も、万が一に備えて日にちの変更ができるチケットなのかどうか、などもきちんと確認が必要です。
新学期が始まる時期は、大学側も忙しいです。最寄りの駅まで迎えが来てくれる大学ばかりではありません。
そうなると、自力で大学まで行かなければいけないので、駅からバスで行くかタクシーで行くか、そうなると荷物はどうするか、など様々なポイントが出てきます。
大学は新入生や留学生向けのオリエンテーションを開きます。〇月〇日に行います、と通知がされたら、それを忘れないようにしましょう。
6.まとめ
留学の面白みは、新しい世界の発見とこれまでの自分の人生を振り返ることだと思います。
自分が育ってきた環境が自分自身を作り出しています。海外に出ると全く違う価値観、考えが存在していることを目の当たりにし、それを面白いと感じつつもどこか自問自答してしまったり。
そんなことを繰り返していき、あなた自身はまた一回り成長していくのです。
留学による居住許可申請のケースは、他の二つである労働、結婚、とはまた違った部分がありますが、大きな流れは同じです。
銀行残高証明や、すべての始まりとなる学校の留学許可証が一番の違いであり、このケース独特のものといえます。
一つ一つのプロセスを踏んでいくことは、現地での生活に一歩ずつ近づいていくことを示しています。やることがたくさん!と嘆くのではなく、それ自体を楽しんでしまいましょう。
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